目の前にいる子狸は言った

声を嗄らせて、咳き込みながら

 

「俺、あの木の葉っぱが全部散ったら死ぬんだ・・・」

 

 

 

 

 

 

熱に浮かされ狸は告ぐ

 

 

 

 

 

 

 

パコン

・・・痛い・・・」

「馬鹿狸が」

、俺、病人ダヨ?病人にそれはねーだろ」

「そんなこと言うくらい元気なら病人とは言わんわ」

「いや、意味わかんねーよ」

 

こんにちわ。

俺の名前は永倉新八。

華の高校生やってます。

本日、風邪を引いてしまい学校を早退。

家に帰ってみたら熱が38度もあってビックリ仰天。

ちなみに。

今さっき俺を、俺のために取ってくれたであろうノートで、殴ったのは幼馴染の

 

友人、藤堂平助の想い人。

 

「ってゆうかどこの木のこと言ってんの?」

「アレ、には見えない?」

「あーもしかして幻覚見てる?」

「ううん」

「じゃあ、あれだ。新八の脳内で育ててる木?」

「うん、そんな感じ」

 

いや、全然意味わかんね。

自分で言ってて意味わかんねー。

 

「アレ、新八、顔赤い。熱上がったんじゃないの?」

ピタと額に当てられたの手は冷たくて気持ちが良かった

「あー・・・熱、もっかい計ってみよっか」

 

そう言って、離しかけた手を

俺は掴む

 

「・・・何」

「気持ちー・・・」

 

その掴んだの手を頬に当てて、俺は目を瞑る

・・・気持ちーな・・・

 

、手ぇ冷たいね」

「心があったかい証拠でしょ」

「何、ってはあんな迷信信じてんの?」

「うるさい。風邪引き狸は黙って寝てろ」

パチン、と空いた手で額を叩かれる

「いって」

 

離される手

 

「薬と何か食べれるモノ、買ってくるから熱計ってちゃんと寝ててね」

 

そう言って立ち上がった彼女は玄関へと向かう

 

 

遠くなる足音

完全に無音になった時、この部屋にいるのは俺1人だけなんだと、改めて思う

人は病に臥すと心が弱くなるってゆうけど、本当だ

なんだかとてつもなく寂しい

 

・・・早く帰って来てヨ・・・」

 

まだ出て行って10分と経たないのに、そんなことを言ってしまう今の俺

あー・・・弱りきってるな、ホント。

 

 

 

 

辛くて眠れない。

無理矢理、目を閉じると今日の光景が瞼の裏に浮かんだ

心配そうにするクラスメイト達

その中にの顔もある

 

「ぱっつぁん、早く帰りたいからって仮病?」

冗談混じりに言う平助

「うるさいよ、平助」

言ったのは俺じゃなく、

「新八は風邪引いてるんだから!冗談でもそういうこと言わないで!」

俺のために怒ってくれる

幼馴染の、昔から気が強くて、でも誰よりも他人のこと考えてて、

俺のことを、いつも、心配してくれる

「ちぇっ。ちゃんに言われたんじゃしょーがねーな」

言った平助の顔は、『本当に面白くねぇ』

そういう表情だった

平助はのことが好きだから。

口には出さないけど、多分そう。

なんとなく分かる。

もまぁ、満更ではなくて

結構一緒にいるとこ見たりして

 

・・・本当に面白くねぇ

 

あれ?何でだろ

何でか知らないけど、俺、今、面白くないって思った?

あれ?何でだ?

あれれ?

あー・・・頭が混乱してきた。

 

 

 

「大丈夫か俺。ってゆうかアレ?どういうこと?アレ?何で?あれ?ってゆうか何をこんなに考えてたんだっけ?アレ?」

「新八、不気味だよ」

 

ブツブツと声に出して言っていたらしい

いつの間にか帰ってきたがベッドの横に立ち、呆れた表情を浮かべてた

 

「なんなの一体。ブツブツ呟いて」

「あれ?、どしたの?えらく汗かいてるけど」

「あー走ってきたからかな・・・?」

 

それは俺のためにってことですか?

 

「今日、見たい番組があること忘れてたの」

 

・・・ですよね。

君はそういう人間だよ

 

「勿論、新八が心配だったってのもあるけどね」

 

さらりと言われた言葉

 

「じゃあ、これ、あっためてくるからちゃんと横になっててね」

レトルトのお粥か何か、それを袋ごともっては部屋を出た

 

さらりと言われた言葉だった

なんの気なしに、そう言うのが当たり前の如く、紡がれた言葉だった

でも、なんとなく嬉しかった

 

 

 

 

 

 

 

お粥も食べて、薬も飲んで、

あとは眠るだけ

 

「・・・ねぇ、

「んー?」

 

用も済んだし、と帰る支度をする彼女を止める

 

「平助のことどう思う?」

「・・・何、突然」

 

ホントだ、俺ってば何を突然言い出すのやら

 

「平助さ、お前のこと好きらしいんだわ」

「・・・へぇ」

「で、平助のことどう思う?」

「それ、平助に聞けって言われたの?」

「ううん、俺がなんとなく思ったから言ってみただけだよ」

「ふーん」

 

黙り込んだ

帰る支度を黙々と続ける

 

「ねぇ、答えてよ」

「・・・」

「・・・」

「ねぇ」

「・・・」

「・・・」

 

答えてくれない

わかってるよ、人に対する評価を、関係のない人に話さない

はそういう人だもんね

 

「・・・じゃあさ、俺のことどう思う?」

「何突然」

「答えて。俺のこと、どう思ってる?」

「・・・」

 

何聞いてんだよ、俺

 

「・・・俺は」

 

口が勝手に動く

 

「俺はさ、」

 

意識とは裏腹に

 

のこと、好きだよ」

 

小さく紡がれた言葉

自分の声が震えているのが分かる

 

「しんぱ・・」

「昔から、多分、昔からずっと好きだった」

 

だから平助なんかに取られたくない

 

「ねぇ、俺のことどう思ってる?」

 

声が震える

俯いたの、表情が、感情が読み取れない

自然と、手に汗をかく

 

 

「ただの幼馴染」

 

 

言われた言葉に、

崩れ落ちていくような感覚が俺を襲った

 

 

「だったよ、最近までは」

 

続いた言葉に俺はの顔を凝視する

は依然俯いている

前髪に隠れて、表情が伺えない

 

「どういう意味」

「そういう意味」

「そういうってどういう」

「だからそういう」

「意味わかんねぇよ・・・」

「わかれよ、子狸」

「・・・率直に聞く。最近まではただの幼馴染、じゃあ今現在は?」

「・・・」

 

黙る

どうしよ

心臓が煩い

目が熱くなる

 

「・・・新八と同じ気持ちだよ」

 

顔を真っ赤にさせてそれだけ言った

 

世界がスローモーションをかけたように見えた

鞄を引っつかんで部屋から飛び出す様も、

走り去る音も、

家の玄関が閉まる音も、

部屋の時計の針の音も

 

頭が働かなかった

だけどこれだけは整理しておきたい

 

俺と同じ気持ちってことは。

のことが好きってこと?

ああ、そっか。

そういうことか。

は自分を愛する、自分至上主義なんだと。

あれ、だったら俺のことはどう思ってるって質問の答えはどこいったんだ?

アレ?

 

 

そこで俺は意識を手放した

 

 

翌日、薬が効いたのか熱は下がっていて

昨夜のことを思い出して、

頭抱える

 

「・・・何やってんの、俺」

 

『新八と同じ気持ちだよ』

 

言われた言葉が頭を支配する

 

「俺達、両想いじゃん・・・」

 

呟いて1人赤面

今一番彼女に逢いたいと思った

 

 

 

 

 

 


★アトガキ★
コングラチュレーション!
16000を踏んだ有月千鶴さんリクです!
えぇっと、リク内容は
新八で幼馴染(友達)→恋人。現代、幕末、こだわらず。だったのですが・・。
あーっと・・・;幼馴染要素があまり出てませんね・・・あぅち!
しかもBBSのレスで「首を長くして待ってて」みたいなこと言っておきながら、
レスした直後に書くとは何事だ、自分。
恋人になったって感じがしませんしね!(開き直り)
でも一応、両想いまではたどり着けました☆
そして描写はなくとも、密かに平助失恋(クス)
タイトルが変なのは毎回のことですが。狸は告ぐって・・・;
ああっと、多分、パチは頭がいいんだと思うのですが、熱に浮かされて頭が回らない、そんなパチを書いてみました。
普段だったら絶対言わないけど、熱にやられて、告っちゃう、みたいなv(←意味不明です)

えぇっと、こんなへたれた夢ですが(途中、意味不明な会話もあるし;)
見事誕生日前夜に16000を踏んだ千鶴さんに
誕生日プレゼントとして献上いたします!!
リク、ありがとうございましたv
そしてお誕生日、おめでとうございました!!

 

ブラウザを閉じてください。

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送