あれはまだ自分達が学生の頃

私は彼が好きだった

 

 

 

 

 

 

 

秋空、鰯雲

 

 

 

 

 

 

 

私と彼はクラスの中でも結構仲がよくて

男女の中では結構話すほうだ

お弁当とか一緒に食べるわけではないがそれでもやはり仲がよくて

私は彼が好きだった

 

「ねぇ、ジャン。明日、数学テストあるって聞いた?」

「ウソ!?聞いてねぇよ!まじかよ!」

「まじまじ!私もさっき聞いたんだけどさ」

 

とにかくよく話すし、仲もいい

周りは私達を、まぁ、そういう風に見ていたわけだ

 

だけど私はある日耳にした

教室でジャンと、その男友達が話しているのを

 

「なぁ、ハボック。お前ってと付き合ってんの?」

「はぁ!?なんでそうなるんだよ」

「や、だって仲良いし?」

「それにクラス中じゃ、もう皆付き合ってると思ってるぜ?」

「確めてくれ〜って他のクラスの奴に言われたからさぁ」

「冗談やめてくれよ。誰があんな奴。俺には好きな子がちゃんといます」

「まじまじ!?誰!?」

「言わねぇ!ってかお前も教えろよ!」

 

 

俺には好きな子がちゃんといます

 

 

私は確かにそう聞いた

心臓がうるさかった

心臓が痛いほど鳴っていた

痛くて痛くて死にそうだった

苦しかった

だって

もしかしたら私のこと好きかもって

そう思ってたから

でも

違った

 

 

私達はその日以来、気まずくなった

というより私がジャンを避けていた

 

「なぁ!!」

「あ、ごめん。今忙しいから後にして」

「え・・あ、悪ぃ・・」

 

「なぁなぁ、

「ごめ、先生に呼ばれてて」

 

「おい、

「友達のとこに行かなきゃ!ジャン、ごめん!」

 

 

ジャンはそれでも私に話掛け続けた

私は苦しくて仕方なかった

いっそのこと、無視してくれたほうがよかった

 

 

それから一年半が過ぎた

秋の雲、秋色の空、自然界で秋の気配が漂いはじめていた10月

もうすぐ卒業

今年はジャンとクラスが離れて

話すことも、話し掛けられることもなくなった

私はそれでもジャンが好きで

ずっと見ていた

 

 

 

 

 

 

 

?」

「え・・・」

 

帰り際、突然話し掛けられて

振り返るとそこにはジャンがいた

 

「ジャン・・」

、久しぶりだな」

 

笑顔でそう言って

毎日学校で会ってるのに、それなのに話さなかっただけで

あの頃の楽しかった日々が何年も昔のように思えてくる

 

「一緒に帰らねぇ?」

「え・・でも」

「俺と帰るのはイヤか?」

「べ、別にそういうわけじゃ」

「じゃあ、あれか?去年みたいに、友達が〜、か?」

「・・・いいよ。一緒に帰ろ」

 

ジャンはやはり気付いているようだった

去年の私の、あからさまな態度に

 

 

 

「なぁ、

「・・・何」

「お前さ、何であの時俺を避けてたわけ?」

 

やっぱり気付いていた

でも確かにあんな態度とられたらいくらバカでも気付くか

 

「・・・別に避けてなんか」

「ウソを言え。・・・俺のこと、嫌いだったとか?」

「そんな訳ないじゃない!」

 

力いっぱいいったら

ジャンは一瞬驚いた顔をしたけど、すぐに照れたように笑って

小さく「ありがとな」って言ってくれた

 

ジャンはあの頃より少し大人びて、背も高くなって、声も少し低くなって

それでも笑顔は昔のままで

嬉しくて涙が出そうだった

だけどもうあの頃みたいのようには戻れない

 

 

、空、見てみろよ」

「・・・?」

「あれ。あーゆー雲なんて言うか知ってるか?」

「・・・鰯雲でしょ?」

「そ。鰯雲。秋特有の雲だぜ」

「・・・それが何?」

「綺麗だろー」

「うん・・・」

 

自慢げに言うジャンがどうしようもなく愛しい

 

秋空が目にしみる

 

「なぁ、。お前、今好きな人とかいんの?」

「な・・なんでそんなこと聞くの」

「や、ちょっとな・・・で?どうなんだ?もしかして彼氏がいるとか?」

「・・・いたらあんたとなんか一緒に帰ってないわよ」

「そだな。で?」

「・・・あんたはいるんでしょ」

「・・え・・」

「聞いたわ。去年、クラスの男子達と話してたでしょ。好きな子いる、って言ってたもん」

「そっか・・はは・・なんだ、聞いてたのか・・・」

「ごめん。たまたま通りかかったら聞こえちゃっただけで・・・それで?あんたはまだその子が好きなの?」

 

そう笑顔を取り繕って言うとジャンは

照れ笑いをしながら「うん」といった

私の気持ちは報われない、そう確信した

 

「で、お前はどうなんだよ」

「私?・・・いるわよ」

「へぇ?どんな奴?俺の知ってる奴とか?」

「・・・よーく知ってる奴ね・・・」

「マジ!?誰だよ?!」

「・・・すっごくバカな奴」

「バカ・・?俺の周りはバカばっかりだからなぁ・・」

「バカで、天然で、鈍くて、むかつくくらいいい奴で・・・」

「ふーん・・・?」

「でも・・・」

 

ヤバイ

涙出そうだ

 

「でも?」

「誰よりも優しくて・・・かっこよくて・・・」

 

ヤバイ

 

「本当に好きなのに・・・なのに・・・振り向いてくれない・・・」

・・何泣いてんだよ」

「泣いて・・なんか・・ない」

 

嗚咽

泣いてるのは自分でも分かってる

だけどどうしても

 

「私は・・・」

 

止められない

 

「そういうバカが好きなの・・・どうしようもないくらい好きなの・・・」

 

もう

 

「そういうバカなあんたが好きなのよ・・・」

 

そう言った時

 

彼が私の腕を強引に掴んで

 

 

私にキスをした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何すんのよ・・・」

 

唇が離れて、私の第一声はそれだった

 

「したかったから」

「何?あんた、したかったら誰とでもこんなことするわけ?街中でキスしたくなったら見ず知らずの女捕まえてキスしちゃうわけ!?」

「違う。なぁ。聞いてくれ」

「聞きたくない。やっぱり無理矢理理由作ってでもあんたと帰らなきゃよかった。じゃあね、私、もう先行く」

「待てよ!」

 

彼はまた私の腕を掴む

ジャンの顔は真剣だった

 

「俺もお前が好きだ」

「何言ってんの・・・?好きな子、いるんでしょ?」

「だからそれがお前だ」

「そう。ありがと。でもそんなウソ言われても嬉しくもなんともない」

「だから!俺は!」

「私、あの時のあんたの言葉、一字一句覚えてる!あんたは私なんか好きじゃないって言った!!」

「それは!それは・・・お前・・・俺の友達がお前のこと好きだって・・・」

「は?」

「あの時一緒にいた友達がお前のこと好きだから協力してくれって言われたんだよ!!それなのにあの場でお前が好きなんて言えるかボケ!」

「ぼ・・ボケ!?」

「大体、俺の態度見てりゃわかるだろ・・ほんっと、お前って鈍いな・・」

「あんたに言われたくないわよ!!」

 

なんか

長い間胸につっかえていたものが一瞬にして取れた感じ

張り詰めていた糸が切れた感じ

そんな感じ

こんな緩やかな気持ちは久しぶりだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大佐!お疲れ様です!」

「ああ、お疲れ、少尉」

「お疲れっス。大佐」

「ああ、さっさと帰れ。ハボック」

「あ!?なんスか!その態度の違い!」

少尉、今度一緒に食事でもどうかね?」

「え、でもぉ〜」

「大佐!俺の女に手ぇ出さないでくださいよ!!」

「チッ・・・まぁ、いい。今日は早く帰って休みたまえ」

「は〜いv」

 

あれから数年。

私はジャンとともにここ東方司令部に配属された

 

。今夜一緒に飯行こうぜ?」

「んージャンのおごりなら行くv」

「は?ワリカンに決まってんだろ」

「けちぃ・・・」

 

あの時から

私達の恋人という関係はずっと続いている

私は彼が好きで、彼も私に好意を抱いてくれていて

私はそれでもう幸せだ

 

 

「何?ジャン」

「愛してるよ」

「はぁ!?何よ突然」

「んー?ほら、空が」

「空?」

「秋空に鰯雲。あれ見るとあの頃のこと思いだすんだ」

「へぇ〜・・・そうですか」

「愛してるよ」

「あんまりそういうこと言われると信憑性失うって気付いてる?」

「マジか!?」

「マジです〜」

「じゃあ、好き」

「あんたねぇ・・・」

 

秋の空を見るといつもあの頃の切ない気持ちを思い出す

初めての本気の恋に

悩んだ片想い

苦しくて胸が押しつぶされそうで

死ぬほど痛かった

 

だけど隣りには愛する彼がいるから

 

「ジャン、私も。愛してるよ」

 

 

 

 

 

終われ

 

 

 

 

言い訳(反転で)
長いなぁ!!
んと、これ、実体験をもとに書いてます、といったら怒りますか・・・??(ドキドキ)
や、別に付き合ったとか、ちゅーしたとかじゃなくて(笑)
初恋の頃の気持ちですね。
初恋はほろ苦い〜なんてよく言いますが、あれ辛いだけですよね、なはは。
結局報われませんでしたがね!(寂しいなぁおい;)
んー長いっ!これ、長すぎっ!
ってかロイとかフュリーを増やしたいって言ってるのに、ハボ書いちゃう辺りどうかと思います;
ハボって書きやすいんですよねぇー。
ハボは妄想するのに一番てっとり早い相手でございます(意味不明です)
んっと、とにかく書いてみたかった士官学校時代のヒロイン初恋!
でもしるの書く夢はいつも終わりがワンパターンでつまらないです(自分で言っちゃったらおしまいです)
誰か様、ステキな終わり方を書く方法を伝授してください。
というよりネタが欲しい(苦笑)
それより・・あの、今日びの若者さん達、鰯雲って知ってますか・・・?(ドキドキ)
あとちぎれ雲とか・・・知ってるのかなぁ・・・;?

 

ブラウザバックです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送