暇だ、暇だ、暇だ

暇で、暇で、暇で

本当に暇でどうしようもない

 

 

 

 

 

 

雨の日の過ごし方

 

 

 

 

 

 

「・・・おい」

 

ふんふ〜ん♪

 

「おいっ!!」

「なんですか〜?副長〜」

「なんですか、じゃねぇ!何やってんだよ!!」

 

彼の長い黒髪を手に取り、

櫛で丁寧に梳かす

 

「副長の髪って綺麗ですねぇ〜」

「話そらすんじゃねぇ」

「何がご希望ですか?三つ編み?お団子?それとも上で纏めますか?」

「どれも希望してねぇ。邪魔だ。出てけ」

「酷いっ!」

「酷くねぇ!お前、仕事はどうした」

「アユ姉が『ちゃん、最近働き詰めやろ?今日は1日休んどき』って、お休みくれたんです〜!」

「だったら休んどけ。自分の部屋でな!」

「暇なんです〜!突然休みが出来てもやることないし!雨降ってるから外にも出れないし!」

「だからって俺で遊ぶな。総司とかに相手してもらえ!」

「沖田さん、今見廻りだもん。局長も居ないし・・・副長、暇そうにしてたから・・・」

「暇じゃねぇ!!」

「ん〜?何々?『来た人にもらいあくびや春の雨』??」

「読むんじゃねぇ!!」

机に置いてある、たった今執筆されたであろうそれを摘みあげる

「なんすか、コレ」

「何でもいいだろうが!」

バっと、それを取り返し襖を指差す

「出てけ」

「え〜だって・・」

「出て行け」

「・・・分かりました」

すごめられて、しぶしぶと出て行く

 

 

 

「はぁ〜暇だな〜」

 

とぼとぼと縁側を歩く。

横を見やれば、降り続く雨

(アユ姉もさー、何もこんな日に休みくれなくたっていいのにー・・・)

春が終わり、梅雨を感じさせる雨を鬱陶しそうに見る

 

「何しとるん」

 

溜息を吐くと同時に突然声をかけられた

「・・・ススム」

「何しとるん、お前」

見ると、ススムが襖に体を預け腕を組んで立ったいた

の目が、光る

「ススム!!」

「・・・なんや」

目を輝かせて自分を呼んだ彼女を訝しそうに見る

「遊んで!!」

「・・・は?」

「暇なの!!遊んでよ〜どうせ暇でしょ?」

「・・・」

どうせ暇でしょ、という言葉に一瞬、額に青筋が浮かぶ

「副長も遊んでくんないし・・ね、遊ぼうよ!」

「・・・チッ」

「・・・今、舌打ちしたでしょ」

「別に」

「ま、いっか」

にっこりと無邪気に笑って自分に歩み寄る彼女

彼女を見て、あることを思いつく

(・・・よし・・・)

 

、ちょっと来い」

「何々〜?」

 

手を引かれて廊下を歩く

何も疑問に思わずそれに付いて行く

辿り付いた先は――

 

「ススムの部屋・・・」

 

襖をスッと開け、ススムは、座るよう言う

なんとなく正座をして、ススムを見る

ススムは何やらガサガサと何かを探している

 

「ねぇ、何してんの?」

「ちょい待ち」

 

そうして、振り向いたススムの手には箱

否――化粧箱――

 

「・・・何する気・・・」

「遊んで欲しいんやろ」

箱を開けて、

の前髪を払い止める

「ちょ・・・ススム」

「少し黙っとき」

 

は抵抗せず、そのススムの手をただただ見つめていた

黙々と続く作業

の顔が段々と色づいていく

 

最後に桜色の紅を、その唇に引く

 

「・・・終わった?」

「・・・」

ススムは黙ってそれを見る

自分が施した、それを

色づいた彼女を

普段、色を使うことのない、彼女を

 

「ねぇ、どうしたの?」

 

何も言わず、じっと自分を見るススムを不安そうに見る

不安になる

化粧をした自分を何も感情を浮かべることなく見る彼に

――似合わないのかな・・・――

そんなことが頭を過ぎる

でも!勝手に化粧し始めたのはススムの方だし!!

という考えも同時に浮かび上がる

 

「何とか言ったらどうよ!」

「・・・これは失敗やったな・・・」

「なっ・・アンタが勝手に・・!!」

 

呟いたその言葉に、怒りの表情を露わにし、

抗議しようとしたの言葉をススムが遮る

――自分の、口で――

 

「・・何す・・」

「もう少し」

 

もう一度、角度を変えて味わうように丁寧に

何度も口付ける

 

「・・・ホンマ、失敗やな・・・」

 

顔を離し、また呟く

 

――・・・まさかこない綺麗になるとは思わんかった――

 

少し顔を赤くさせたススムがそんなことを思ったのを

は知らない

 

 

 

 

 

ごめんなさい
前半副長夢?
いやいや、ただね、豊玉が出したかったんです。
ちなみに「来た人に〜」は発句集から抜粋。
抜粋はいいけど、そのお陰で春の雨の日なんだか、梅雨なんだかわかんない話になりました。あうち。
拍手でない、初ススム夢ですが。
何で突然ススムかって、ただなんとなくススムが書きたかったからであって。
ってゆうか甘いススム夢なんて言語道断・・・!!
ってゆうか口調。ススムはこんな砕けた関西弁話さないよ!(砕けた関西弁?)

 

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