彼と約束した
絶対に死なない
ずっと側にいる

私はその約束を、果たされなかった約束を今も胸に秘めている

 

 

 

 

 

果たされなかった約束

 

 

 

 

同門が脱走を図った
同門が捕まった
同門が切腹した

 

 

鼻を啜る大きな男
その隣りにいる小さな男

 

「左之、鼻はかんどけ。汚ねぇ」

「仕方ねぇだろぉ・・・?」

 

ズズッ
原田が鼻を啜る
それを指摘する永倉は妙に落ち着いている
否、憔悴しているようにも見受けられる

 

身内の別れ

 

山南敬介が脱走し、
それを沖田総司によって捕らえられ、
先ほど切腹した

 

「平助、山南さんに挨拶しなくていいのか?」

 

永倉が、目の前に小さく蹲る男に話し掛ける

 

「・・・あの人、上手く腹切れたのかなぁ・・・」

「近藤さん言ってたぞ。・・・実に見事な切腹だったって・・・」

 

永倉が、涙を流しながら言う

 

「・・・さっき会ったのに・・・ついさっき会ったばっかなのに・・・もう死んじまった・・・山南さん」

 

 

思い出すは、先ほどの光景
笑顔で帰ってきた山南敬介
この後のことが、切腹することが分かっていて
全て腹を括ったように見受けられる彼の笑顔

 

 

 

 

「藤堂さん・・」

 

襖ごしに、遠慮がちに問う声

 

「ああ・・・ちゃんか」

「入っても・・いいですか?」

「どうぞ」

 

襖を静かに開け、入室
開けた時と同様静かに襖を閉じる

 

「食事です」

「珍しいね。直接部屋に持ってくるなんて」

「ええ・・今日は特別です・・」

 

藤堂はにこやかに、無理に笑顔を作ってを見る
はその笑顔を見て痛い気持ちになる

 

「藤堂さん、無理しないで」

「無理なんてしてないよ」

「だって・・少し憔悴してますよ」

「・・・今日も美味しそうだなぁ!・・ん・・美味い!さすがちゃん!料理の鉄人!」

 

藤堂はが持ってきた食事を口に運ぶ
もうその話はしないでほしい、そう言う意味も込めて話しをずらす

 

「藤堂さん・・山南さんは・・」

「この煮物も美味しいね!」

「なんで・・」

「この魚、いい塩加減じゃん!」

「切腹して・・・」

 

が話を進め、藤堂は無理矢理聞こえないフリをしていた
とうとう、の声が震え出す

 

ちゃん」

「っ・・なんで!?なんで山南さんがっ・・・!!」

 

はその場に泣き崩れ、わぁっと泣きだす
取り乱したを見るのは初めてか、藤堂は少しばかり驚きながら
それでもやはり気持ちは自分で同じ故にの気持ちが痛いほど分かる

 

ちゃん、山南さんね、見事な切腹だったって」

「でもっ・・」

「あの人、剣苦手そうに見えるけど、そこはさすが総長だよね」

「っ・・」

「・・俺、なんか疲れちゃったよ」

 

そう言って藤堂は震えるの体を抱きしめる
も藤堂を抱き返す

 

ちゃんは・・」

「?」

ちゃんは死なないでね」

「・・」

「俺、もう好きな人死なせるの嫌だから・・」

「あなたも・・死なないで・・」

「うん」

「ずっと側にいて」

「うん」

「絶対」

「約束する」

 

 

 

 

藤堂平助はその後、新撰組を離れた

私は彼を引き止めることが出来なかった

あの時引き止めていれば藤堂平助は今もこの世にいただろう

側にいて、名前を呼んで、笑って、抱きしめてくれただろう

 

どうして引き止めることができなかったんだろう

 

 

 

 

 

空を見上げると彼のことを思い出す

 

「藤堂さん」

 

名前を呼んでも返事はない
例え、この世にいたとしても彼はここにはいないのだから

 

「藤堂さん」

 

いつから歯車が歪み出したんだろう
もう後悔しても遅い

 

果たされることは決してない約束

いつかまたどこか空の上で会える日まで

私は忘れない

 

 

 

 

 

 

ごめんなさい(反転)
今日、大河新撰組で山南さんが死にました。
それでどうしても書きたくなって書いたわけですが。
意味がわからなくなりましたね!(爆)
書き始めた時は夢じゃなくて新×平の小説になってました。
だけど「あれ、それじゃ左之はどうするよ」と思いましてねぇ。
だから無理矢理夢にしたわけですわ。
んー。ちょっとネタばれ・・?平助さんまだ死んでませんからね、PM原作じゃ。
んはは。読み返してみたら意味不明だっ!(笑)
三人称って難しい〜(そこかよ)

 

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