あーなんか幸せだ

無性に幸せだと感じるヨ、俺

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春を感じて

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「永倉さん!見て!!本当に菜の花畑だよ!!」

嬉しそうに一面、黄色い菜の花畑を指差す彼女

「もう春だねぇ」

「すごーい!綺麗ー!!!」

 

そうやって嬉しそうに菜の花を触る君が一番綺麗だよ?

 

・・・なんて思っても俺は口が裂けても言えないけどネ

 

「摘んでいいかなー?これ」

「いいんじゃない?少しくらいなら」

誰が育てているかわかんねぇけど、

でもこれだけ一面に咲いてんだから少しくらい頂戴しても問題はないっしょ

「ふふー、屯所に飾ろ。そしたらあの男臭い場所も少しは華やかになるよ」

笑いながら菜の花を摘み、言うちゃん

イヤイヤ、君がいるだけでね、俺にとっちゃその場が華やかになるんだよ?

「あ!あっち!奥の方のが綺麗な色!!」

ちゃんが指差す方を見ると、確かにこちらよりも黄色の発色がいい

畑の手前側は少し白っぽいから、奥側の黄色がより一層引き立って見える

「行っておいでよ、俺、ここで待ってるから」

「うん!」

嬉しそうに、犬だったら尻尾をちぎれんばかりに振っているであろうその様子に

俺は自然と笑みがこぼれる

 

畑の側の土手に寝転がり空を見ると鮮やかな青が広がっていた

 

・・・そういや何でこんなとこにいるんだっけ

 

確か先刻までアユ姉に頼まれてちゃんと二人で買出しに来てて

それで・・そうそう。酒屋のおばちゃんに

『新婚さんかい?』

とか何とか嬉しいこと言われてそれで

『この先に綺麗な菜の花畑があるんだよ』

・・・ああ、そうだ。

そう言われたから、じゃあ行ってみようってことになって

 

それで

 

そこまで考えた途端急に眠気に襲われる

気持ちが良い

視線の先は綺麗な青空

少し向きを変えれば一面黄色の菜の花畑

そしてその奥には愛する恋人

 

 

・・・幸せだな・・・

 

 

何だかとにかく幸せで夢のように思える

「・・・ねむ・・・」

これ、本当は夢なのかも・・・

いや、現実?

わからない

けどそんなことどうでも良くなってくる

 

「永倉さん、こんなに摘んじゃった〜」

そう言って嬉しそうに近寄ってくるちゃん

何かやばい

幸せなんだけど、この春の暖かい天候にやられた

・・・眠い

 

俺はちゃんの細い腕を引っ張って隣りに寝させる

「うわっ?!・・・った〜・・・もう!何すんの・・」

言い切る前にその体を抱き寄せ、唇を重ねた

ちゃん、何か俺、幸せ」

「へ?」

「・・・ねむい・・・」

ちゃんを抱き枕の如くぎゅうっと抱きしめた

 

――ああ、ホント、幸せだよ、俺

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・さん!永倉さん!!!」

「んー?」

「起きて!まずいよ!もう夕方!!」

「へ?・・・うわぉあ、えぇあぇぇええ!?」

ガバっとイキオイよく起き上がると、空は茜色

「やばっ・・・」

「早く!早く屯所に帰ろ!?アユ姉に怒られるっ!!!!」

「え、ああ・・」

立ち上がったちゃんが手を差し出す

片手には先刻摘んだ菜の花

俺は買ったモノを片手に持ち、その手を握る

慌しく二人で夕方の町を走った

 

その後、アユ姉には怒られはしたけれど

それでもやっぱり今日はなぜか無性に幸せだった、と

そう思う自分の姿がここにあった

 

 

 

「永倉さん」

「さっきはゴメンね。俺が眠りこけちゃったから・・」

「ううん、私も一緒になって寝ちゃったから・・・永倉さんだけのせいじゃないよ?」

「そっか」

「うん」

 

ああ。そうか、わかった

こうしてちゃんがいるから幸せなんだ。

春の陽気のお陰で、今やっとそれに気付いた

 

ちゃん」

「何?」

「・・・何でもない」

「何よー?それ」

笑いながら言うちゃんの体をそっと抱きしめる

「・・・幸せだな」

 

――彼女の側にいるだけで、本当に幸せだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おおぅい!みんな、ここにバカがいるぞーぃ!!
あーぅち。なんて意味の分からぬ夢なんだ・・・!!!
今さ、加山雄三を聞いてまして(渋いぜ、私)
あれ、あー曲名なんっつったっけな・・あの名曲ですよ。
♪二人のぉ〜夕闇がぁ〜って奴。『僕ぁ幸せだなぁ』って台詞の入るアレ。
んで、思いついたネタでごわんす。ついでに5巻発売記念(え)
ちなみに菜の花はアレですよ。大河を少し意識。(山南さんと明里のアレ。・・・あー思い出しただけで泣けるぜ)
それにしても調子付いてアユ姉とか出してみちゃいましたけども・・。
歩さん、きっと怒らないから!!勘違いすんなよ、自分!!
アユ姉はきっと苦笑しながら「しゃーないなぁ〜」とか言って許してくれるから!!(←何でそんな必死?)
しかも春、とか言っておきながら茜色とか・・・全く持って秋の描写じゃないですか。
とか思わないでください;

ほのぼのなのか甘いのかよくわからぬ作品ですが一読くださりありがとうございました!!!

 

 

 

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