手渡された一枚の紙

そこに記されていたもの

それは

撃ち殺す

映画の日程
日時：19○○年○月○日土曜日。朝11時27分48秒
持物：金、白いチューリップの花束
服装：恥ずかしくなければなんでも
備考：時間厳守。遅れれば容赦なく撃ち殺す

・・・・・。

「あの・・少尉？」

「なんだ」

「これは・・」

「例の件だ」

例の件って映画のことっすよね？
まぁ、それは見れば分かる。
最初に『映画の日程』って書いてあるし。
ご丁寧に西暦から書いてあって・・
ってか時間、何でこんなに細かいんですか？；

「絶対に遅れぬよう。遅れたら」

そう言って
少尉は懐から銃を取り出す

「わわわかった！！時間は守る！絶対に！！」

だから撃たないでください；

「それから絶対にこれだけは守ってもらいたい」

少尉は真剣な面持ちになって声を潜める
俺も
それにつられて気唾を呑み込む
一体、何だ・・？

「絶対に普通の服装で来てもらいたい」

・・は？

「それだけっすか？」

「それだけとはどういう意味だ？」

「いえ、あの・その・・別に・・・」

「？」

なんだ。
もっと重要なことかと思った・・
それにしても

「なんでそんなに服装にこだわるんだよ」

「別にこだわってなどいない。ただ・・」

「ただ？」

「昔、付き合ってた男がものすごい趣味の悪い男で、年中ショッキングピンクのパンツにアロハシャツを着ていた」

「ああ、それは趣味悪すぎ・・」

って待て
ちょっと待て。
昔付き合ってた男って・・・

「少尉、男と付き合ったことがあるんすか？」

驚いて
そう聞くと
少尉は仏頂面になって言った

「悪いか？」

「悪かねぇけどよ」

まさか男嫌い、寧ろ女好きのこの女が男と付き合ってたことがあったなんて・・
もしかして
少尉の男嫌いは
その昔付き合ってた男のせいなのか・・？

「本当に最悪な男だった」

「ふぅん？」

「しつこく言い寄ってくるから仕方なく付き合ってやったというのに」

仕方なく、ですか；

それにしても以外だ
本当に

少尉が男と出かけるなんて俺が初めてかも
なんて思って
もしかしたら少尉は俺に気があるんじゃないかって
少しだけ・・自惚れて
だけど
俺、こいつのこと、何にも知らないんだな
って思った

「・・で」

「なんだ」

「この持ち物の白いチューリップの花束ってのは？」

ああ
といって少尉は少しだけ口元を緩める

「私の大好きな花だ」

「へぇ・・少尉の」

「一度、男に好きな花を贈られてみたかった」

「へぇ・・」

「まぁ、お前が嫌ならいいんだけどな」

私のただの願望だし

と、
少し苦笑する
苦笑、というより
どちらかというと寂しそうな顔
そんな顔されたらさ、
嫌でも断れないじゃん？
まぁ、もともと断るつもりもないけど

「いいよ。持ってく。だから楽しみにして待ってろ」

「本当か？」

「嘘吐いてもしょーがねーだろ」

「ありがとう、ハボック少尉」

言って
笑って
恥ずかしそうな顔して

・・最近、こいつが妙に可愛く見えて仕方がない

女好きで、男を毛嫌いしていて
口調も男っぽくて
初めて逢った時、なんて可愛げのない女だろう、って思ったのに

それなのに
なんか・・優しい気持ちになってく自分がここにいる

あ、なんか今すっげぇ良い雰囲気かも
大佐が言ってた「甘くて、誰も入り込めない恋人同士の世界」ってもしかしたらこんなんかも
そう思うと
ちょっとだけ照れくさくなって
でも
なんかほんわかした、温かい気持ちになってきて

なのに

「ああ、ハボック少尉」

「なんだ？」

「もし約束を違えた場合、容赦なく撃ち殺す。躊躇はしないからそのつもりで」

そう冷たく言い放つ少尉
・・・少尉。もっと空気を読んでください；

「・・了解です・・；」

「では当日、楽しみにしているよ」

言って
ニヤリと(俺にはそう見えた)笑って少尉は去って行った。

やっぱり少尉は少尉だった；

ハボックとの関係
50�l/100�l

ごめんなさい(反転)
引っ張るねぇ、このネタ(笑)
それにしても・・・甘・・・
しるの夢にしては甘くないですか？ねぇ？(聞くな)
話がちょっとずつおかしいですが、そのへんは気にせずさらさらっと読んでくだされば、と。
タイトルの「撃ち殺す」あんまりタイトルに沿ってないのですが(笑)
でもしるはこれ書いてすぐに「タイトルは撃ち殺すだな」って思って・・はは・・(溜息)
なんか、色々とすみません；
最初の頃とヒロインさんの設定が幾分か違いますが気にせず。
まだ固まってないんですよ、ヒロインのキャラ(←いいのかよ！)
ってゆうかハガレンって西暦じゃないですよね・・？太陽暦でしたっけ？；

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