ねぇ、辛いのに何で笑ってるの?

辛いなら辛いって泣き叫べばいいじゃない

 

なんで

 

そんな痛々しい笑い方するの?

 

 

 

 

 

 

 

結核

 

 

 

 

 

 

 

ごほごほ

 

 

部屋に響く咳

そっと覗くと体を起こして咳をする

つらそうな彼の顔

 

 

 

「・・・沖田さん」

 

「・・さん、ですか」

 

すっと襖を開けると

彼はにっこりと笑った

 

「どうしたんですか?」

 

違う

 

さん?」

 

違う

私は見たいのは

 

「どうしたんですか?」

 

違う

私が好きな笑顔は

 

「何か困ったことでもあったんですか?」

 

気付くと布団に居たはずの彼が側まで来ていて

私の顔を覗きこんでいた

 

さん?」

 

「・・・嫌いです」

 

「え?」

 

「そんな沖田さんの顔、大嫌いです」

 

そう言うと彼は困ったように

少し寂しそうに言った

 

「それは困ったな・・これが私の元々の顔ですから」

 

「違う」

 

「違いませんよ」

 

「私が好きな沖田さんの顔は・・そんな痛い笑顔なんかじゃないっ」

 

涙が出てきた

 

「っんで・・・何で無理して笑おうとするんですかっ!」

 

出始めると止まらなくて

 

「私の前で・そんっ・な・・顔して笑わないで下さい!!辛いなら辛いって・・苦しいなら苦しいって・・・」

 

私の前で無理しないで

 

彼は私をきつく抱きしめた

いつもと違う、

少し荒い抱擁

 

さん」

 

彼は搾り出すように言った

 

「・・・辛いんです。とても、とても苦しいんです」

 

彼の体が震えていた

 

「・・苦しくて、何度も何度も、死にたいって・・・・なんで・・私なんだろうって・・・」

 

彼の腕が私の体をきつく抱きしめる

 

さんのこと・・幸せにしてあげられなくて・・・」

 

「沖田さん」

 

「私のこと嫌いに・・ならないで欲しいって・・・ずっと好きでいて欲しいって・・・」

 

彼の声が震えてた

 

「自分を出せば出すほど・・我儘が出てしまって・・・」

 

 

それだけ言うと

また発作のように

彼は咳をし出す

 

 

 

神様、何で彼なんですか?

何で私達なんですか?

 

何で私達は一緒に幸せになることができないんでか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先刻はすみません」

 

薬を飲んで落ち着いたとき

彼は苦笑しながら言った

 

「でも・・本当なんです・・何で私なんだろう、っていつも、1人になると思うんです」

 

こんな体で

こんな病に侵されて

 

「私は・・・さんに嫌われたくないんです」

 

何で愛する彼女1人を幸せにすることが出来ない?

 

「笑っていないと・・あなたに心配をかけさせてしまう。心配ばかりかけると返って嫌われてしまうんじゃないかって」

 

考えれば考えるほど不安になって

 

「・・・すみません。こんな話」

 

「沖田さん。私は笑っているあなたが好きです」

 

突飛にそんなことを言った彼女

 

「でも、無理しているあなたは嫌いです。自然体のままでいてください」

 

辛いとき、苦しいとき、

誰にそれを言わなくても自分にだけは正直で居て欲しい

 

「私はあなたを嫌いになったりしませんから」

 

さん。ありがとうございます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何で彼なんですか?

何で

 

他の誰でもいい

彼を奪わないでください

私から

彼を連れて行かないで

 

 

 

置いていかないで

 

 

 

 

 

 

 

 

 

言い訳
なんだ?コレ。こっ恥ずかしいー;
大河とか見てていっつも思うんですよ。
何で沖田さんなんだろうって。
それを文にしてみた次第です・・・あわわ;

 

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