昔から隣りにはあの人がいた

士官学校時代もずっと隣の席で

昼食食べる時もなぜか隣りにいて

今もこうして隣同士のデスクで仕事してて

 

あの人は自分にとっての酸素のような存在

 

 

 

 

 

隣り

 

 

 

 

 

窓際の席に座る彼

その隣りの席に座る彼女

 

 

 

彼はよく眠る

授業中も、放下も、ホームルームの時も

机に、頬をくっつけて寝ている

寝ているときいつも顔は窓の方に向いているから、彼の寝顔なんて見たこともない

今もそう

朝登校して、自分の席につくと

隣りの席で窓の方に顔を向け、眠る彼

 

 

 

 

 

彼女はいつも真面目で

俺が授業中に寝ていてもいつも真面目に黒板を見、ノートを必死でとっていた

俺はたまに寝たフリをしながら、窓に映る彼女を見ていた

髪を耳にかけ、教師の言葉も聞き逃さないよう授業に集中する

たまに、彼女は俺の方をちら見する。たまにだけど。

 

 

 

ただなんとなくずっと隣りの席だから

なんとなく隣りにいることが自然で当たり前で

なんだか心地よい感じもしないでもない

弁当もお互い自分の席で食べるから、必然的に隣同士で食べるわけで

でも別に「そうしよう」と言ってそうしてるわけではない

 

仲が良いわけじゃないから

ろくに話したこともないし

 

 

それでも隣りにいることが自然すぎて、当たり前すぎて・・・

 

自分が相手をどう思っているか、正直よく分からない

 

 

 

 

 

 

この日は珍しく彼女が彼に話し掛けた

「ハボック。起きなよ」

はハボックの体を揺する

「んー・・・?」

「起きなって」

「・・・か・・・」

んー、と今まで机にうつ伏していた体を起こし、伸びをする

ここで欠伸を一つ

「何?」

「ホームルームとっくに終わってる。帰んないの?」

「とっくに、って・・・」

周りを見渡すと以外のクラスメイトが見当たらない

つまりこの教室にはハボックとの2人だけ

窓の方を見るとすでに陽が沈もうとしていた

「お前、今までずっと教室にいたのか?」

最もな疑問を口に出すとはこくんと頷く

「今日日直だから。日誌、書いてたの。そろそろ窓閉めて電気消したいんだけど」

「あー・・・そう。わかった。帰るわ」

そう言ってハボックは帰り支度を始める

は窓の戸締りを確認し、そして鞄と先ほど書いていた日誌を持つ

「じゃあね、ハボック」

「ああ」

 

別に仲が良いわけじゃないから、ここでお別れ

 

「お前さ」

「何?」

「今から職員室?」

「うん」

「そ。じゃあ俺も行く」

「何で?」

「先生にこれ、渡さねぇと」

そう言ってハボックは一枚のプリントをヒラヒラさせる

おそらく課題、か何かだろう

「そう」

 

一緒に教室を出てもやっぱり会話は少なくて

お互いあまり喋らない方だからか、それとも面倒臭いからか

「・・・・・」

「・・・・・」

とにかく沈黙だった

それでも別に居心地が悪いとは思わなかった

長い間、会話もしないで隣りにいる期間が長すぎたのだろう

「会話、ないね」

が零せば

「ねぇな」

とハボックが答える

言葉のキャッチボールが上手くいかない

それでもやはり居心地は悪くは無かった

 

 

 

「ああ、ご苦労」

日誌を渡すと担任からの声

は小さく頷く

「ハボック。課題の提出はもうとっくに過ぎてるぞ。これからはもっと早めに出せよ?」

プリントを渡すと担任が苦笑して言う

ハボックも同様小さく頷くだけだった

「ああ、ハボック。もう外は暗いからを送っていってやってくれ」

気を遣っているのか、そうでないのか、担任はやりかけの仕事に眼を通しながら言う

「いいです。私は1人で帰れます」

「いいじゃないか。ハボック頼んだぞ」

「へぃ」

口数が少ない二人ゆえに、これ以上何も言わず二人で職員室を後にする

 

 

 

 

陽も沈み、外灯が照らす道を歩く

が会話はない

傍から観れば気まずい雰囲気だが、当人達はそうでもない

気にもしない、といった感じだ

 

少し歩いた頃、ハボックが口を開いた

「もうすぐ卒業だな」

ひとり言なのか、それとも会話を振ったのか、どちらにも取れることを呟く

「そうだね」

そこで一旦途切れる

またも沈黙

かと思いきや

今度はが口を開いた

「思えば私達、ずっと隣りだったね」

「・・・そういえばそうだな」

思えば入学した時から隣りにいた

クラス替えしても同じクラスで、誰かが裏で細工しているんじゃないかと思ってしまうほど偶然に二人はずっと隣りの席だった

「弁当食うときも」

「授業中も」

「放下も」

「ホームルームも」

 

なんか、変な感じだ

 

「でも全然喋ってないね。私達」

「そうだな」

「ね」

「ああ」

 

一緒に居て、何で安心するんだろう

 

って、口数少ないよな」

「ハボックもね」

「そうだな」

「うん」

 

その答えは見つからない

だけど見つからなくてもいい、そう思う

今のままで十分、心地良いから

 

「あ、私。ここ曲がってすぐだから」

「そうか」

「わざわざありがと」

「別に」

「じゃあね」

「じゃあな」

 

翌日から、これまでどおりの隣同士の席で会話もない日が続く

 

 

 

 

 

 

 

それから卒業して自分達は別々の場所へ配属された

 

彼は東方司令部へ

彼女は南方司令部へ

 

 

もう隣りにいることはできなくなった

心にポッカリ穴があいたような、そんな感じだった

 

自分にとっての"酸素的存在"がいなくなった

 

 

 

 

 

それから数年後

 

 

 

 

「ジャン・ハボック少尉」

「へい」

 

「―――――以上5名、私と共にセントラルへ移動が決まった。文句は言わせん。ついて来い」

――――Yes,sir.――――

 

 

彼はセントラルへ移動になった

 

ちょうどその時と同じくして彼女もまたセントラルへ移動が決まった

 

 

 

 

「ハボック少尉、また隣りだね」

「ああ、そうだな。少尉」

 

彼らはまた隣同士のデスクで仕事をすることになった

相変わらず会話は少ないけれど

それでもやはり安心できる、そんな雰囲気

 

 

 

この人は自分にとって、必要不可欠な酸素みたいな存在かもしれない

 

 

 

 

終われ

 

 

 

言い訳しますよ(反転で)
つまんねっ!過去に例を見ないほどつまんねっ!!
何が書きたいのかサッパリだね☆
ただしるが今「NARUTO」のイルカ先生にはまっているので・・・ってどういう言い訳だよ、自分。
とにかく微妙でしかも長いし、つまんないし。
ごめんなさい。もしPCじゃなかったらここに叩頭令をしてでも謝罪したい気分です。

 

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