ジャン・ハボック

 

ロイ・マスタング

 

エドワード・エルリック

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ジャン・ハボック

 

「ねぇねぇ、ジャン」

「んぁ?」

「もしさ、私が死んだらどうする?」

「何を突然」

「もしもの話だよ」

「んー・・・ほっとく」

「酷っ!!!アンタ、それでも私の恋人!?
ほら、もっとさ、『泣き喚く』とか『泣き喚く』とか『泣き喚く』とかしないわけ?」

「んだよ・・。泣き喚いてほしいだけじゃねぇか・・・」

「別に泣き喚いてほしいわけじゃないけど、ただほっとくって・・酷いよ」


そう言うとジャンは咥えていたタバコを置き、
私を抱きしめた

「そだな。お前がもし死んだら抱きしめる」


そう言ってつむじにキスを落とす

「んでキスして」


額に、瞼に、頬に
そして唇にキスをした

「・・・でもお前は死なないから」

「だからもしもの話って・・・」

「もしもなんてない。俺がさせない。死なせない」


ぎゅっと
抱きしめる腕に力を入れて


「お前が死ぬなら俺も死ぬ」

俺がそう言うと彼女はぷっと吹き出した

「何がおかしいんだよ」

「だって」

「ってゆうかお前が死ぬ前に俺が死ぬ」


好きな奴が死ぬとこなんて見たくないし


「死ぬ奴より置いてかれる奴の方が辛いんだからな」

「そだね。でもそう言うならジャンが死ぬ前に私が死ぬよ」

「なんだよ、それじゃどうしようもねぇだろ」

「そうだね」


そう言って笑う彼女

「ねぇ、ジャン」

「なんだ?」

「好きだよ」


これからもずっと二人で生きてきたいと思った瞬間

 

 

 

 

 

 

ロイ・マスタング

 

彼の名はロイ・マスタング

29歳独身

地位は大佐

 

そして

 

焔の錬金術師

 

彼は今、

1人の女性に恋をしていた

 

 

「はぁ〜vvv可愛いなぁvvあの娘」

 

ロイは電柱の影から、彼女を盗み見ていた

「嗚呼・・・可愛くて綺麗でそして優しくて・・・まさに私にピッタリの女性・・・!!」

「そんなに好きなら話掛ければいいじゃないですか・・・」

 

言ったのはジャン・ハボック

地位は少尉

女運なし

ロイの部下

 

「馬鹿者!!イキナリ話し掛けたら
『やだ、この人何〜?変態!?』って思われるのがオチだろ!!」

「(アンタ、そんなに自分に自信ないんスか・・・)」

「はぁ・・・可愛い・・・せめて名前だけでも知りたいものだ・・・」

 

ロイはまだ意中の女性の名前を知らなかった

 

 

彼女は花屋で仕事をしていた

花の似合う、とても笑顔のステキな女性

とロイは熱く語る

 

 

そんな名前も知らない彼女をロイが知ったのはつい先日

たまたま他の女性とのデートに花を買っていこうとしたときのこと・・・

 

 

 

 

 

 

 

「ふふん。花でも買って益々私に夢中にさせよう・・・ふふ」

 

ロイはほくそ笑みながら一件の小さな花屋に入った

 

「いらっしゃいませー!」

「ああ、この花を・・・っ!!!!」

 

そう言って花屋の店員を見たとき

ロイの胸にキューピッドの矢が刺さった

 

「あの・・どうかされましたか?」

「いいいいいや!!!!何でもありません!!」

「そうですか・・・えっと、こちらの花で宜しかったでしょうか?」

「はははははい!!!!」

「(変な人・・・)何本でしょう?」

「すすすすきにしてください!!!」

「(え・・)えっと、じゃあ、花束にしますよね?」

「ははははい!!」

「彼女への贈り物ですか?」

「はぃ・・っ!!違います!!祖母の入院見舞いに!!」

「そうですか。では包みますね」

 

 

 

 

それが彼女との出会いだった。

とても美しく運命的な出会いだった

とロイは熱く語る。

 

 

「あそこまで美しい女性がこの世に存在したとは・・・」

「ハイハイ」

 

ロイはそれからというもの

毎日毎日こうして花屋の彼女を見ている

・・・仕事もサボって

 

「いい加減、話掛けたらいいじゃないですか」

「いかん!それではいかんのだ!!何かキッカケがなければ・・・」

「アンタらしくもない・・・」

「キッカケさえあれば私の得意な話術で落としてみせるというのに・・・」

「(得意な話術って・・・)」

「あ、大佐、そろそろ時間です。司令部に戻りましょう」

「いやだいやだ〜!!もっといる〜!!!」

 

そう言って電柱にしがみつくロイ

 

「ああもう!!アンタは駄々っこですか!!」

「もっと彼女を見ていたい〜!!!!」

「いい加減にしないとホークアイ中尉に撃たれますよ!!!!」

「・・・はい」

 

 

そう言って二人は足早に司令部に戻った

 

 

これがロイの最近の日課

 

 

 

 

 

 

 

エドワード・エルリック

 

「エド、エド〜」

 

そう言って駆け寄ってくるは可愛い恋人

ああもう。本当に可愛いったら。

満面の笑みで嬉しいそうにタッタカと走ってくる。

まるで子犬のようだ。

オレもまぁ、笑顔に惚れたようなもんだし?

素晴らしい笑みを向けてくれる恋人にオレもこの上なく素晴らしい笑みを作って振り向く。

 

「何だ?」

「これ、壊れちゃったから、練成してくれ」

 

本当に可愛らしい彼女だが

問題がまるでないとはいえない

まず、口調

 

「お前さぁ、練成してくれって・・・練成して?とかもっと可愛くいえないわけ?」

「いいじゃねぇか。つべこべ言わず早く直せよ、このどチビが」

「あぁ!?」

「あん?文句あんのか?こら」

 

ギロッて睨んできて

オレは思わず縮み上がる。

問題その2、ちょっと恐い

 

「すみません;すぐ直させていただきます」

「宜しい」

「で?何を直すんだ?」

「これだ」

 

そう言って取り出したのは

 

「あ?これ、この間オレが直してやったばかりじゃねぇか」

 

どうしたらこうなるのだろう、

まるで上に岩石を落としたかのようにぺちゃんこになった

原型を持っていない小さなラジオ

 

「うん、でも壊れちゃったから、よろしく」

「お前なぁ・・・どうしたらこんな風になんだよ・・・」

「んっとね、突然空から巨人が降ってきてそれで」

「ラピュタか、こら」

 

問題その3、言い訳が下手

 

「まぁ、いいや」

 

 

パン

 

 

「おお〜!!!ビバ☆錬金!!!」

 

目を輝かせて手を叩いてはしゃぐ彼女

 

ああ、もう、ホント、可愛いったらねぇ

 

でもよ。

 

「お前さ、毎回思うんだけど・・・わざとだろ」

「な、何がだね?エドワード・エルリック君」

「わざと壊して来んだろ、いっつも」

「何でそう思うんだよ」

「物壊しすぎ。有り得ねぇほどに。いい加減にしろよ」

 

そう厳しく言うと彼女は

下を向いて小さくゴメンと言った

 

ああもう、だからさ、お前、マジ可愛すぎなんだってば

 

「だってエドすぐどっか行っちゃうし」

 

何だその言い方、すぐ家出する猫みたいな言い方じゃねぇか

オレはお前のペットか?こら

 

「寂しいんだよ。だから会ったときくらいかまって欲しいって。それで」

 

 

・・・・・

 

 

「もし迷惑なら別にもういいんだけど」

 

 

だあ、もう!!!!

 

 

「お前、可愛すぎ」

「は?」

「かまって欲しいならわざわざ物壊さないでそう言えよ。幾らでもかまってやる」

 

そう言ったら彼女はオレにあの満面の笑みで抱きついてきて

 

一言

 

大好き

 

といった

 

 

馬鹿野郎

 

ますますお前に惚れちまうだろうが

 

 

 

 

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