多分、その時恋に落ちた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「桜が綺麗だな〜」

誰に言うでもなく、

声にするでもなく、

ただ口を動かした

咲き誇る桜の木々

先日、満開になったばかりだ

「綺麗だな・・・」

 

よく、桜の木の下には死体が埋まっていると言うけれど・・・

こんな綺麗な花に対しそんなこと言うなんて失礼だ

一体誰が言い出したのか

 

「本当に・・・綺麗だな・・・」

感嘆するような溜息とともに、

今度はしっかりときっぱりと、言葉にする

 

「そうですね」

「!」

 

返ってくるはずのない、その言葉に山崎は驚き目を見開く

すぐ後ろに黒髪の女性がいた

ストレートの長い髪を下ろし、綺麗な淡い桜色の着物を纏っている

 

「え、っと・・・?」

「ああ、すみません。あなたの言葉に同感したのでつい」

 

クスクスと笑いながら目を細める

桜へと向かっていた目線を山崎に移す

 

「真選組の方、ですか?」

「へ?ああ、はい・・でもなんで」

「制服で分かりますよ」

「あ、そうですよね」

 

驚きの表情を浮かべていた山崎が

やっと何かが解けたようにへらっと笑う

 

「お仕事中ですか?」

「はい、いえ」

「どっちなんですか」

「えっと、市中見廻りだったんですけど、今終わって・・・ついでに花見でもしようかなーなんて」

「綺麗ですもんね」

「はい」

 

微笑みあったその時、

ザァっと柔らかい風が吹いた

散った桜の花びらと、彼女の髪を舞い上げる

 

「あ・・」

 

刹那、彼女の髪から淡い香りが山崎の鼻を掠める

 

・・・いい匂い・・・

 

「ん、もう・・・髪くしゃくしゃ・・・」

 

顔を僅かに顰めて片手で髪を整える

そして山崎の方を振り向き、苦笑を浮かべた

 

「春の風って時に悪戯しますよね」

 

髪を掻きあげ

 

「でも柔らかくて、」

 

肩に落ちた髪を払うと

 

「優しくて、私は好きですけどね」

 

また淡い香りがふわりと薫る

 

「俺も、好きです」

 

ふいに吐いた言葉

それは無意識

桜について言ったのか、それとも

 

「俺、山崎って言います!山崎 退」

 

突然、大きな声で言った山崎を、驚いた表情を浮かべて見やる彼女

その顔はすぐに笑みに換わり、

 

です」

 

手を差出し、桜のように柔らかく、儚い笑みを向ける

差し出された手を握り

の名を口にする

それは言葉として出ることはなく、

それでもハッキリとその名を象っていた

 

 

その日、その時、その時間

俺は彼女に恋をした

 

 

 

 

 

 

ごめんなさい
なんか色々と、ごめんなさい;
短っ!って感じでしかもよくわかんないし、ヒロインさんの名前最後しか出てこないし
ってか3人称難しー!(そこかよ)
今、桜満開ですね!(私の住むところはね)
遅咲きですが、とても綺麗ですよね。好きです、桜。
ちなみに、気付いた方、多いと思いますが、
BGMはケツメイシの『さくら』です(うわぁ・・・安直ゥ)

 

 

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